—4n4SERSチップは、PHORNANO社が 特許取得している頑丈なヒートシンク技術を採用しており、分析対象物が過熱するのを防ぎます。(特許番号:WO2022266691A1)
ー4n4SERS基板のカバーフィルムの下は、下図のような、PHORNANO社独自の構造になっています。
—5μLの分析対象物を、ナノ技術を利用した 4n4SERSチップの上に乾燥させます。
—ラマンレーザー (赤) は、分析対象物に焦点することで、ラマン信号 (青) が生成され、増強され、4n4SERSチップによってラマンプローブに反射されます。
ー定量分析SERSも一部可能とし、最大100万倍の増強効果を生み出します。
ーSensitive and high laser damage threshold substrates for surface-enhanced Raman scattering based on gold and silver nanoparticlesー
Dr.FelixMayr:Linz Institute for Organic Solar Cells (LIOS), Institute of Physical Chemistry, Johannes Kepler University Linz, Linz, Austria
文献の概要
表面増強ラマン散乱(SERS)は、化学物質の微量分析などのセンシング用途において、感度が高く高速な手法です。本研究では、近赤外(NIR)励起波長における分析物の高感度検出に適した、堅牢で再現性が高く、柔軟性がありながらコスト効果の高いSERS基板を紹介します。SERS基板の製作は、アルミニウム箔への銀または金のナノ材料の単純なドロップキャスト堆積に基づいており、設計を大量生産に適したものにしています。製造されたSERS基板は、NIR波長範囲で最大400mWの非常に高いラマンレーザーパワーに耐えることができ、分析物の線形信号応答を示しています。これにより、(i)金や銀のナノ材料によって導入された局在表面プラズモン共鳴による電場増強と、(ii)分析物の熱分解を引き起こすことなく照射可能なラマンレーザーパワーの増加、の組み合わせにより、高い信号増強を可能にしました。本SERS基板を使用して、メラミンおよびローダミン6Gの微量検出を行い、検出限界は0.1 ppm未満を達成しました。また、アルミニウム箔のみでの実験結果と比較すると、アルミニウム箔に金や銀のナノ材料を堆積させた実験結果は、10^4オーダーの分析的増強係数が増加しました。
データーの結果:
ーPhornano社の、金ナノ粒子をベースにした4n4SERS基板は、メラミンの検出で、検出限界が8ppbで、0.01ppmを下回りました。
ーラマンレーザーの最大入力パワーは、400mWまで可能でした。
ー在庫可能期間は、銀ナノ粒子をベースにしたSERS基板は40日で劣化し始めていますが、金ナノ粒子をベースにした4n4SERS基板は、280日を経ても良好に使用でき、寿命に関して優位な結果を示しました。